今週は、11日(水)から13日(金)まで、東京ビックサイトでJapan IT Weekが盛大に行われ、私も金曜日に朝から足を運びましたので、いくつか感想なんぞを書いていこうと思います。今回は、クラウド コンピューティング EXPOで、まともにクラウドビジネスしてるベンダーを見つけよう!とだいぶ前から意気込んでいました。しかしながら、玉川憲(@KenTamagawa)さんのセミナーがあると知るやいなや、もういつの間にか興味はそこだけ。たまたま、5/9に行われた緊急営業会議でその発言が興味深くて気になっていたサイボウズの野水(@nominomi875)さんも、ブースでプレゼンするということで、私にとっては完全に玉川&野水を見に行くイベントとなってしまいました。今日は玉川さんのセミナーの感想と、ブースで会話させていただきましたので、今後の可能性なんぞを書き留めておこうと思います。野水さんのプレゼンについては明日。
朝一のセミナーでしたが、会場は満員で席まで指定されました。3000人ぐらいいた模様で、さらに別室で中継までされていたようです。内容的には、amazonのクラウドビジネスを一般的なクラウドの定義と合わせての説明から始まりました。玉川さんが言うITのニューワールド、要するにクラウド化とは、下記の通りとなります。
- 初期投資なし、設備投資なし
- 従量課金
- ピークに合わせたスケールアップ
- 数100台のサーバを数分で調達
- 運用を任せて、本業に専念
玉川さんも一般論で説明かと思いましたが、数100台のサーバを数分で調達というのは、なかなかできるところも言えるところも少ないと思います。また導入事例の中で、某商社がSAPの開発検証環境にAWSを使ったなんて話も出てきて、ビジネスソリューションではそういう使い方が現実的かもななんて思いながら聞いていました。金融系事例で日々の大量バッチ処理に合わせてAWSの使用領域を増やすなんて使い方も面白いですね。
この後、amazon社内の移行事例の紹介に入りましたが、これは興味深かったです。
- 場所代、NW、人などの隠れたコストも含めた総所要コストを算出
- 可用性、レイテンシーについては現状を超えるもの
- セキュリティ要項に厳しく順守し、顧客の信頼を得る
まず、このように内部での審査を厳しく行ったと言います。柔軟なスケーリングなどのメリットを強調するだけでなく、後ろ向きな部分にもきちんと目を向けて評価している、またそれをこのように事例として出せるというのがポイントです。ここで個人的に疑問だったのが、クラウドというと、ネットワーク的に制約が多く、移行やその後の運用に対して、セキュリティ基準を満たせないのではないかということでしたが、インターネットVPNによる社内ネットワークの拡張的なことができるようです(NW弱くてスミマセン)。
それと、ソフトウェアのライセンス問題。これについても、様々なベンダーと協業したり交渉しながらクラウドでの利用についてコンセンサスを得て移行したとのことです。他社ではまだ事例のないOracleについても利用可です。AWSでしか許されていないクラウドでのソフトウェアライセンス利用もたくさんありそうです。
その後、「夏まで作れ!」でDRを早急に実現する方法についてもわかりやすく説明されていました。
ここまで聞いて、これは自分の顧客にも提案できるし、社内でも使えるかもしれないと思い、twitterにつぶやいたところ、玉川さん本人からリプをもらいました。実は、前夜、玉川さんが先日のアメリカのEC2のトラブルについて何か話してくれるのではないかと期待をして「明日は玉川さんは色々話してくれるのだろうか」とつぶやいていたのですが、それに対するリプももらっていたことに気づき、ブースで直接話すしかないと思い、amazonブースに向かいました。
ブースは、盛況でしたのでなかなか営業の方と話すタイミングもなかったのですが、何度か通りががったタイミングでようやく営業の方を一人捕まえることができ、そこで話をしていると、「玉川呼んできます」と、なんと午前中に3000人を前に圧倒的なセミナーをやった玉川さん本人を連れてきてくれたではありませんか!これはありがたかったです。で、質問を畳み掛けたわけです。以下、質問と回答です。
- 先日のEC2のトラブルをわかりやすく教えて
「人的ミスだよね。ネットワークの切り替え時に設定をミスしちゃってうまく切り替わらなくて、それに起因して別サーバにデータのコピーをしに行こうとしたんだよね。それが複合的に絡んでパフォーマンスが落ちたんだよね。それと、サービスストップを余儀なくさせてしまったHootSuiteやFoursquareは二重化のオプションを契約していなかったんだよね(!)。これはamazonの案内不足だけど、ちょっとボクもびっくりしたよね。」
- Oracle使えるって、具体的にどうやるの?
「Oracleが利用可能なIaaSはAWSだけだよ。利用は、AWSにOracleをインストールする方法と、RDSでOracleを選択すること。後者は時間貸しで、もうすぐ利用可能になるよ。」
- INSとかつないでレガシーなEDI手順は使えるの?
「専用線は利用できないんだよ。インターネットが基本だから、トンネリングしたい場合はインターネットVPNを利用してね。」
- ISMSとか厳しいんだけど、どうすりゃいいの?
「データセンターはISO27001準拠だよ。あとは、ポリシー次第。外にデータを置くなと言われたら利用できないよね。」
- で、結局いくらぐらいでできるの?
「ここで試算できるからやってみなよ!」
とまあ、こんな感じです。あえて友達口調で書いてますが、実際はきちんとビジネス会話してるますので!悪しからず。玉川さんは、業界ではそこそこの有名人ですが、非常にざっくばらんに話してくれて感じのいい方でした。おそらく年齢もそれほど離れていないのかな。
会話の結果、専用線が引けないというのがやはり影響がでかいのですが、バックアップセンターとしては設計次第で充分採用可能だと思いました。3年前にU社から始まったばかりのICTサービスの提案を受けたときは費用対効果が見いだせないという理由で不採用にしましたが、現時点であれば何かしらの利用がこういったサービスで可能だと思ったのと、やはりAWSは先端をいっているようだということがわかりました。真面目に社内で検討しようと思います。
最後に玉川さんの別のセミナーがWEB上にありましたので、リンクします。
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