丹羽さんは言わずと知れた伊藤忠商事切っての「掃除屋」で、その名前は普通にサラリーマンをやっていたら知らない人はいないのではないかっていうぐらい有名なおじさんです。ファミリーマートや雪印アクセス(現日本アクセス)の買収は、当時学生だった私にとっても衝撃的でしたし、社会人になっても伝説的に聞いていた話で、その当時の様子が本人によって描写されているくだりには、非常に臨場感と緊張感が溢れていました。
この本は、悪い言い方をすると丹羽さんの自慢本です。しつこいほど自分が謙虚であることをアピールしています。謙虚なのに伊藤忠商事のトップまで上り詰めた課程が描かれています。謙虚アピールは少し過剰なほどです。でも、この人がそこまで上り詰めた理由の片鱗がなんとなくわかるようになっています。昔日経新聞にコラムがありましたが、丹羽さんは、若いうちはとにかく働け働けという考え方の方です。泥のように働け、と。私もその新聞記事に痛く共感して、信頼を置いていた当時の部下にコピーを渡した記憶があります。なぜ若いうちに働け、か。それはここでは書くまでもないでしょう。
この本で印象的だったくだりの一部だけ書き留めておきます。
- 商社マンとしての人材の見極めは、価値観、評判、金の匂い
- 若い頃を思い返して失敗だったとおもっているのは、出し惜しみ、やり惜しみ
- 隣の奴と競争しないでコップの外に出ろ!
丹羽さんと一緒に仕事をしたことのある方何人かと会話をさせてもらったことがありますが、丹羽さんは本当に電車で通勤していたそうです。そして、丹羽さんのことを悪く言う人は本当に皆無だと聞きました。すごいおじさんです。
0 件のコメント:
コメントを投稿